県、塩川港のベルトコンベアー設置を許可 ~ 辺野古への土砂搬出加速の懸念

 昨日(28日)は、辺野古ではもう一つの新たな問題で怒りが沸き上がった。沖縄県が、辺野古への土砂搬出が行われている本部塩川港に、「県が、ベルトコンベアーの設置を許可した」という報道があり、27日、急遽県北部土木事務所に経過・内容を聞くために市民30名ほどが面談したという。

 担当職員からは納得のいく説明が受けられず、5月の申請決済の前に所長との面談を強く要求。再度28日15時半から1時間の約束で面談することになったという。私たちも辺野古を午前中で引き揚げ、参加することにした。

 3時半にはまだ時間があったので、問題の塩川港と安和桟橋へ足を延ばした。

 安和桟橋では、ダンプによる外からの土砂搬入はなく。港内に山と積み置きされた赤土をベルトコンベアーで船に積み込む作業が行われていた。塩川港のベルトコンベアー設置の問題も、狙いはここにある。抗議行動に左右されないで運搬船への積み込みができるためである。

 沖合には、海上での抗議行動はないのにも関わらず、海上警備会社の監視船が10隻以上もぷかぷかと浮いていた。チャーター料金一日5万円は、ひねもすただ浮かんでいるだけでももらえるからだ。

 本部・塩川港に向かう途中の山肌は、無残にはぎとられて痛々しい姿をさらけ出してていた。辺野古の埋立てが始まるまでは、道路からはあまり見ることはできなかったが、これほど大規模な搬出量になってくると、隠しようもなくなっているのだろう。思わず身体が震える。

 塩川港には、すでに大型の土嚢が積まれ、土砂の積み置き場の確保が始まっていた。これを業者は、濁水防止策と言っているが、市民らは、「濁水防止のためならこんな大きなものは必要ないし、設置場所が真逆、これは抗議する市民を締め出すための設置以外の何物でもない」と抗議している。

 午後3時半から行われた県土木事務所長との面談は、当初1時間との約束だったが、40人余の市民らの追及は多義にわたり、2時間近く経っても終わらなかった。

「書類上不備がなければ、許可は仕方がない」とする県側に対し、書類上の問題点も指摘し、所長もこれを認めて「調査して、場合によっては許可を検討する」と言わしめた。

 

 この日は、他にも私も原告のひとりである「高江機動隊派遣訴訴訟」の結審が那覇地裁で行われたが、私は辺野古を優先した。この裁判の判決は8月20日に出される予定。

 また、県庁前の広場では、「屈辱の日」の抗議集会も開催された。平和を願う県民にとっては分散され、痛みに身を割かれる忙しい一日だった。

 

 

 

2021年4月29日リンクURL