修学旅行の案内で 渡嘉敷島へ

 25日(火)は、修学旅行の案内で渡嘉敷島へ。大雨の予報だったが、何とか雨は免れ、まずまずのとかしき日和だった。

北山(ニシヤマ)展望台から望むケラマ海峡。74年前、戦は海の向こうからやってきた。この島々で起こった「集団自決」「慰安婦」という沖縄戦を特徴づける悲劇の数々がなぜ起こったのか、平和の創造のためにそれを知りたいと多くの平和学習ツアーがやってくる。

 この日案内した島根県の高校は、毎年修学旅行で沖縄にやってくる。沖縄に来る前に、沖縄の歴史、文化、自然、沖縄戦など生徒たちが自ら調べ、しっかり事前学習をしてくる。ときには私が知らない沖縄を知っており、私の方が教えてもらうこともあるくらいだ。こちらも生半可な知識では案内ができない。

 

 <彼らが事前学習で学び、まとめた修学旅行のしおり>

アリランの碑モニュメントの説明文を真剣に読む生徒たち。しっかり記録をとる。

 とかしくの海岸近くでゆうなの大木に出会う。一日花のゆうなの花は、朝、目が覚めるような鮮やかな黄色で開き、夕方には濃いオレンジ色に染まって、ぽとりと落ちる。

 その花びらで遊んだ子どもの頃の経験を伝えると、興味を示し早速実践を試みる生徒たち。

軽く握った親指と人差し指の輪の中に花びらを一枚乗せ、もう一方の掌で上から軽くたたくと、ポンと綺麗な音が出る。その音の出具合を競う単純な遊びだけど、なかなか難しく、楽しい。

長々と、沖縄戦の悲惨な話を辛そうに聞いていた彼らの顔に、若者らしい笑い声が戻ってきた。

午前中、北山の頂上から眺めた慶良間ブルーの海(トカシクビーチ)に、歓声を上げて飛び込む生徒たち。

残念ながら、カメさんとは出会えなかったそうだ。

紅く熟れたアダンの実に「パイナップル?」「食べられる?」と、興味津々。

 夕方、フェリーで戻ってきた泊港の船着き場で、「未来を担う責任のある者として、平和をつくるために自分は何ができるのか、これからも学び続けたい」と力強く語り、案内のお礼にと、見事な四部合唱で「島唄」を三線の伴奏付きで唄ってくれた。

 彼らの7泊8日の沖縄平和学習の旅はまだ4日目、南部戦跡、慰霊の日の国際反戦集会、渡嘉敷島、辺野古ゲート前、伊江島と続く。

さらに、学校に戻ると修学旅行の学びの記録と感想文が一冊にまとめられて送られてくる。今年はどんな感想文に出会うかと、いつも楽しみにしている私である。

2019年6月28日リンクURL