民意抹殺の構図 ~ こうして安倍一強はつくられていく

 映画「新聞記者」の一場面を彷彿とさせる。あれは映画の中だけではないということが、実感させられる記事だ。

<琉球新報 7月16日朝刊 ↓>

 この数字は退職2年以降の再就職者は含まれていない、ということは、これら辺野古工事受注業者に、どれだけの防衛省OBが天下っているか、実態はもっとひどいということになる。これでは辺野古の工事が止まるわけがない。彼らにとって、国民のわずか1%にも満たない沖縄の民意などそよ吹く風でしかないのだろう。

 辺野古新基地建設の建設費は、警備費だけ一日2.000万円(防衛省試算)だそうだ。写真はキャンプ・シュワブ工事用ゲートの民間警備会社のガードマン。ゲートの右側だけで17名、左側にほぼ同じ人数がいて、さらに30分おきに交代する人数が同じ数。加えて昼夜3交代のはずである。

 この他に、安和桟橋、本部塩川港、海上では警戒船が何隻も浮かんでいる。

<6月24日、塩川港での民間警備員。違法行為と指摘されている>

 辺野古の工事は一例で、国が行うことのすべて、一事が万事であろうことは容易に想像がつく。「すべては安倍政権を支える大手企業のために」である。

 当初、2500億円とされた辺野古新基地の建設費は、今年、2兆5500億円になるだろうと、沖縄県が試算した。実に当初予算の10倍以上である。その後、水面下90メートルに及ぶ軟弱地盤の問題が浮上し、海底地盤の改良は可能なのか、どれくらいの期間と費用がかかるのか(これが上記の新聞記事につながる)、試算さえできていないなかで、浅瀬部分での工事が強行されている。

この莫大な国家予算に、アリのように群がる企業群が安倍政権を支えている。

2019年7月19日リンクURL

映画「新聞記者 」 ~ 投票に行く前にぜひ見てほしい映画

「新聞記者」という映画を見た。官邸の定例記者会見で、質問制限や取材拒否に会いながらも、めげずに菅官房長官に喰らいつき、納得いくまで質問することで知られる東京新聞の記者・望月衣塑子さんの本が原作の映画である。

権力のど真ん中・官邸と対峙する記者の姿を通して、安倍政権の実態が見えてくる映画である。必ずしも原作通りではないようだが、エンターテイメントである映画だからこそ、本には書けなかった本当のことが描かれているのではないかと感じた。

官邸に「沖縄の新聞は偏っている」と言われ続けているが、沖縄の新聞記者はどう見たか!17日の沖縄タイムスに、こんなコラムが掲載された。

モリカケ問題をはじめ、国会で問題になるような事柄をめぐって、官邸の中で情報が隠ぺいれれ、偽造され、フェイクニュースがネット上で拡散されていく仕組み(その専門部署がある)、担当した官僚が自殺に追い込まれていく構図、国民(官僚や新聞記者も)の個人情報を監視・操作し、それを使った脅しで意のままに動かすシステムなどが描かれている。

国に抗って辺野古に通う私たちだが、国家という巨大権力の前には、自分の小さな正義感など吹けば飛ぶようなもんだと、むなしくも、空恐ろしくなる映画でもある。が、相手の「正体」が見えることも大事だ。

 浦添に先月オープンしたサンエーパルコの映画館で上映中。多くの皆さんに見てもらいたい映画である。

 追記:映画を見て原作が読みたくなり、Amazonで購入しようとしたが、注文がキャンセルされた。人気があって売り切れなのか、出版社に横やりが入ったのか、それはわからない。

 

2019年7月18日リンクURL