県民を裏切らないで! ~ 琉球セメント(本社)に要請

昨日(19日水曜日)、平和市民連絡会は辺野古ゲート前へ行く担当日だったが、ここ数日工事車両が入っていないこともあって、島ぐるみ名護による琉球セメント本社への要請行動に合流することになった。

島ぐるみ名護は、これまで琉球セメントに対し「安和桟橋を辺野古土砂搬出に使わせないよう要請する」とともに、「なぜ本来の目的に反して、このようなことになったのか、ことの経緯を聞きたい」として、何度も面談を求めていたが、「社長と連絡が取れない」「担当者が不在」などと取り合ってもらえなかった。そのため、アポが取れないまま19日、11時に直接訪ねるということになったもので、多くの支援者が、浦添市にある琉球セメント本社前に駆け付けた。

10時過ぎに琉球セメント本社前に着くとすでに会社の入り口に立ち入り禁止の看板と規制線が張られ、社員10名が横一列に並んでガードしていた。

琉球セメント本社前には300名近い人たちが集まった。島ぐるみ名護の稲嶺進共同代表らが、要請書を会社幹部に直接手渡したいと面談を求めたが、琉球セメント側は「対応出来ない」「受け取れない」の一点張り。

それに対し市民たちは「私たちは琉球セメントをなじりに来たのではない。理不尽な国策に利用されないよう要請に来た。

残念ながら、いま琉球セメントが辺野古埋め立ての最大の立役者になっている。安和桟橋が使用できなければ埋め立ては進められない。きっと国から強い圧力があったことでしょう。でも、どうか地元の優良企業として毅然と断ってください。そうすれば私たち県民は、しっかり支えます」

「戦後沖縄の復興・発展に寄与してきた琉球セメントの誇りある歴史に、汚点を遺すようなことはしないでください」「県民に背を向けないで」「県民を裏切らないで」と、必死に訴えた。

二時間近くのやり取りをするも、要請書を手渡すことはできなかったが、琉球セメント側は、これまで明らかにしなかった連絡部署と担当者の氏名を示したため、この日の要請行動は一旦終えることになった。

要請行動を締めくくるにあたって、島ぐるみ名護の稲嶺進共同代表は、「ひーさいびーんやー(寒いですね)お天気だけの寒さではなく、こういう政府の強権的なやり方に対して心が震えている。琉球セメントさんも迷惑をこうむっているはず。(国の圧力に屈することなく)桟橋がつくられた本来の趣旨にのっとって桟橋を活用していただくよう要請に来た。沖縄の一流企業にふさわしい対応を願っている」と、集まった人たちにあいさつした。

最後に、一人の若者が手を上げ、発言を求めた。「私は名護出身です。皆さんに提案したい。私たちは今日ここへ抗議に来たのではない、要請に、お願いに来たのですよね?みんなで琉球セメントさんに頭を下げて”お願い”しませんか?」と、目に涙を浮かべて訴えた。

「そこまでやらなくても」と戸惑いを見せる人もいた。が、集会を指揮していた山城博治さんが「若い人が勇気をふり絞っての提案を無にはできません。皆さん、帽子をとってください」と促し、ほとんどの人たちが頭を下げた。

怒りをおさめて頭を下げた沖縄の人たち、どこまで優しいのだろうか!

このことに対する受け止め方は、人それぞれでしょう。だが、ビルの中からたぶん一部始終を見ていたであろう(集会の間中、ビルの高層階の窓から、二つのカメラがずっと撮影していた)琉球セメントの幹部たちは、果たしてどう受け止めたであろうか!頭を下げてお願いをした沖縄の人たちの心は通じたのだろうか!

 

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ブログを通してお願いしていたホワイトハウスへの10万人署名は、2週間足らずで、目標の10万人を突破しました。ご協力ありがとうございました。署名は1月中旬まで続けられます。引き続き呼びかけをお願いします。

 

 

2018年12月20日リンクURL