ニンニクカズラの花と小父さん

 いつも利用している自宅近くのバス停の向かいに、店先の路肩に季節の花を絶やさない自動車修理工場があります。オーナーが花が好きで大切に育てているようで、花たちを見ていると、いかにも幸せそうで優しい波動が伝わってきます。

 ちょうど季節の花・ニンニクカズラがきれいな花をつけています。私がカメラを向けていると「花と一諸に写してあげようか?」と、声をかけてきた年配の男性がオーナーでした。「いつも楽しませてもらっています」と礼をいうと、嬉しそうに花自慢がいつまでも尽きません。まさに「花とおじさん」という感じの方でした。

 葉や茎をつぶすととニンニクのような匂いがするので、英名(ガーリックバイン)から「ニンニクカズラ(大蒜葛)」と和名がつけられたそうです。ニンニクの匂いがすると言っても、傷つけなければ匂うこともありませんので、栽培するうえでは何の支障もありません。

 花は4~5㎝くらいで、紫赤色で内部が白く漏斗状の花をびっしりと付け、美しい花を咲かせます。咲き始めは濃い色ですが、だんだん爽やかな明るい紫色に変わり、やがて白色に変わるので、鉢植えにすると一株で移り変わるさまざまな花色が楽しめます。

原産地は熱帯アメリカ。寒さに弱いので、日本では沖縄、奄美大島くらいまでが、北限のようです。主な開花期は10~12月ですが、沖縄では5月~7月、11月~12月と年に2回開花します。
つる性で、
壁面緑化、パーゴラ、アーチ仕立てに向いています。

ずいぶん調べましたが、花言葉は見つかりませんでした。

 ちなみに現地の熱帯アメリカの先住民たちは、この葉やつるが発熱や呼吸不全、皮膚病などの症状をおさえる効能があるとして活用しているそうです。

2017年12月1日リンクURL