「国家暴力」について学ぶアジアの若者たち ~ 8月28日(水)の辺野古

 平和市民連絡会の辺野古行きバスで、7:00に那覇を出発すると、8:20分ごろ辺野古ゲート前に到着する。一回目のダンプの群れがやってくるのが9:00頃なので、それに間に合わせるための出発時間となっている。

 立秋を過ぎたとはいえ南国沖縄の夏はまだまだ終わらない。クーラーの効いたバスから、一歩外に出ると、たちまち体中から汗が噴き出した。

 座り込みテントでは、すでにのぼりがたてられ、イスやマイクが用意され、周辺がきれいに掃き清められ、いつでも抗議行動が始められるよう準備が整えられていた。常駐のテントスタッフの、そのような地道な働きがあってこそ、毎日の辺野古の抗議行動が継続できていることを、私たちは忘れてはならない。

 早朝は人数も少ない。今朝は30数人で座り込んだ。あとはいつもの風景が展開する。

 東京から来た性暴力の問題に取り組んでいるという若い女性のグループ(6人)がいた。排除しようとする機動隊に「若い女性に触るな!」と、年配の女性の大きな声が飛んだ。一瞬怯んだ機動隊。女性たちに「自分で立って移動するよう」を説得を試みる。

 いつもの何倍もの時間をかけて移動を促す。扱いかねている様子がありあり。

 バリロードにしがみつく女性。抵抗のスタイルも人様々。1分でも1秒でも排除を遅らせたい。1人30秒でも30人いれば15分ダンプを止めることができる。

 心なしか、今日はいつもより丁寧に優しく運んでくれたような気がする。

 先ほどの若い女性たちは、排除された後も、基地の中に入ってゆくダンプを悔しそうに最先頭で見つめ続けていた。

 ダンプやミキサー車が入り終わると、今度はゲート前をデモ行進。基地に向かって抗議の声を上げる。

 12時前の二回目の搬入に備えて、テント下に戻り暑さを避けながら集会を続ける。そこへ今度は、沖縄で開催中の「アジア市民社会教育ネットワークCENA夏季学校」の若者たち(日本、沖縄を含む韓国、台湾、タイ、インドネシア、パキスタン・韓国などの大学、大学院生)およそ100人がやってきた。

 何人かが参加者を代表してあいさつをした。「今年の夏季学校は”国家暴力”について学ぶ。日本の国家暴力が沖縄に集中している。人生をかけて平和のために活動している沖縄の人たちに会えて感動している」

 「この美しい沖縄でこんなことが起っていることを、パキスタンでは全く知ることができなかった。帰ったら少しでも多くのパキスタンの人たちに伝えたい」

 「平和とはあることが当たり前。平和を守るために勇気が必要ということが悲しい。もともとあるべき平和がなくなって、平和を創造するために勇気をもって闘っている皆さんに感動した」

 参加者最年少の19歳の日本の大学生は「高校生のときに辺野古の海で泳いだ。去年もゲート前の座り込みに参加したが、まだ皆さんが抗議行動を続けている姿に涙が出る。大学生になったので、これからもできるだけ多く辺野古へ来たい」と、声を詰まらせながら語った。

 若者たちは、2回目の阻止行動で人々を力づくで排除する機動隊に抗議の声を上げたり、数人が一緒に座り込んでまさに「国家暴力」を体感した。この実体験はきっと多くの学びとなったのではないだろうか。

 いつもは高齢者が多い辺野古ゲート前行動、今日は熱気あふれる「若者デー」だった。

 

2019年8月30日リンクURL