昨日(22日)は、昨年12月に発生した米兵によるレイプ事件の第2回公判を傍聴した。被害に会った少女が出廷、証人尋問が行われた。
被告の米兵が「18歳以上と年齢を確認し、同意を得た」と無罪を主張していることに対し、「日本語と英語で年齢を示し、ジェスチャーでも伝えた」「やめて!STOP!と何度も言ったが聞いてもらえなかった」と、しっかり証言した。
被告側弁護士の性被害時の状況や揚げ足取りの執拗な質問に、傍聴席のあっちこっちから「ひどい!」と思わず声があがるほど、聴いているだけで胸が苦しくなる状況だったが、少女は、時折声を詰まらせながらも、明確な口調で質問に答えているのが印象的だった。
性暴力事件の裁判にありがちな弁護士の対応もさることながら、裁判官も同じように、「何故スマホで助けを求めなかったのか?」「何故もっと抵抗しなかったか?」「何故逃げなかったか?」と、あたかも被害者に非があるような質問を何度も繰り返し、これまで指摘されて来た「強かん神話(レイプに対する思い込みや偏見)」が繰り返され、状況が少しも変わっていないことを思い知らされた。
いつも被害者が攻められるが、加害者の米兵にこそ聞いてほしい。「見知らぬ女性に声をかけ、自宅に連れ込んで性的行為をする。そんなことをいつもやっているのか?」「なぜ基地の外に家を借りているのか?基地の中に無料で立派な住宅が用意されているのに」と。
少女は、事件後、睡眠薬が無ければ夜寝れないことや、自傷行為を続けていることも訴えた。
法廷は朝10時に始まり、途中休憩を挟みながらも夕方6時半まで、実に7時間半に及んだ。傍聴しているだけで、身も心もくたくたになった。ましてや少女やその家族にとっては!と思う。
証言台はパテーションで仕切られ、傍聴席や被告人席からは見えないように遮蔽されてはいるものの、少女と加害者米兵との間は2メートも離れていない。そんな中で法廷に身をさらす恐怖と緊張は、想像を絶する。裁判を前に、いくつもの女性団体が「被害者が安心して証言できるよう、別室からの、ビデオ映像によるビデオリンク方式」を要請したが、裁判所は受け付けなかった。性暴力に対する裁判所の認識もまだ旧態依然としていることに唖然とする。
夕方7時、自宅に戻ると西の空が真っ赤に燃えていた。私には、少女の心が血の涙を流しているように思えて、辛かった。