国、軟弱地盤を認める ~ 辺野古埋め立て

国が、埋め立てて米軍飛行場をつくるはずの大浦湾に、とてつもない軟弱地盤が存在することを、ついに認めた。

沖縄県は、これまで何度も軟弱地盤の存在を指摘して、国に問いただしてきたが、「調査中」としてひた隠しにしてきた。それがついに「軟弱地盤」の存在を認め、設計概要の変更を、沖縄県に提出する方針でであることを明らかにした。沖縄県は「変更」を認めないとしている。

国は、2014年にはすでに軟弱地盤の存在がわかっていたにも関わらず、ここまで隠し通してきたのは、この間に衆参の国政選挙、名護市長選、県知事選など、重要な選挙が相次いであり、辺野古埋め立て手続きに多くの許可権限を持つ、名護市長や県知事を政権側に奪還して後に、という思惑があったからに他ならない。

名護市長選はうまくいったものの、国政選挙、翁長知事、玉城知事と続いて「辺野古NO」の民意の壁を突き破れず、苦肉の策として、数々の違法を重ねて、とりあえず工事の進めやすい浅瀬部分に土砂を投入し、「埋め立てが始まった」という既成事実をつくったうえでの発表となったものと思われる。

土木の専門家は、大浦湾の軟弱地盤改良工事は、国内有数の大規模で技術的にも難易度の極めて高い工事となり、膨大な費用と長い工期(5年以上)が必要、としている。

辺野古新基地建設は、軟弱地盤のほかに、危険な活断層、周辺民間施設の高さ制限、滑走路が米軍の使用基準より短い、などいくつもの難題があり、市民側の専門家は、「今回国が軟弱地盤を認めざるをえなかったのは、工事がとん挫する助走に過ぎない」と、している。

2019年1月22日リンクURL

「第2回米朝会談は沖縄で! 」 ~ 今日(1月19日)の辺野古

6:30まだ真っ暗な中、那覇を出発。高速道路(沖縄自動車道)の中城を過ぎたあたりから日の出の気配がしてくる。

伊芸サービスエリアで休息。東の空に初日の出のようなでっかい太陽が昇ってきた。

<7:40、辺野古ゲート前に到着>

県外から参加の女性三人組、座り込みを前に「頑張るぞ!」と気合を入れて記念撮影。

 フェンス沿いのプランターの花が、植え替えられて色鮮やかに元気を取り戻していた。

テントスタッフによると、今日は、工事車両の動きがまだ確認されないという。県警機動隊もまだやってこない。それでも9時前にはゲート前で座り込みを開始。

100名近くが坐りこんだ。東京、京都、大阪、群馬など県外からの参加者も多い。いつもなら、私たちの後ろにずらっと30人は並ぶアルソックの警備員も今日は数名しかいない。今日はトラックの搬入はなさそうだ。

琉球セメントの安和桟橋でも、土砂の搬入の動きはないとの報告。

しかし、辺野古の海のほうでは、土砂を積んだ船3隻が大浦湾に入り、カヌー10隻と抗議船3隻が抗議行動を展開中とのこと。冷え込んだ海上で、海保に海に突き落とされ拘束されてもなお、何度も何度も体制を立て直して立ち向かっていくカヌー隊の決死の姿に頭が下がる。

今日は工事用ゲートからのトラックによる土砂の搬入はないとの判断で、11時前にはテントに移っての集会に切り替えられ、参加した各島ぐるみやグループから地域での活動報告が行われた。

試験休み中なので、座り込みに来たという沖縄の大学で学ぶ県外出身の若者。「先月14日の土砂投入の瞬間を海上からこの目でしっかり見た。悔しかった。安倍政権のやり方はナチスのやり方と同じ。沖縄の闘いが、安部政権の本質をあぶりだし、全国の人たちを動かしていく原動力になる。あきらめてはならない」と。頼もしいい若者たちが増えている。

参加者の一人から興味深い提案があった。「日米同盟のそもそもの根源は、米ソ対立の最前線となった朝鮮戦争にある。冷戦構造が崩壊しても朝鮮戦争は停戦したまま今日に至っているが、昨年の米朝会談で朝鮮戦争が終結の方向に向かっている。

しかし、朝鮮戦争が終わってしまっては困るのが『戦争屋』の安倍政権。表立って反対とは言えないが、朝鮮戦争が続くよう画策、悪あがきをしているというのが今の状況。第2回の米朝会談の場所が選定中と言われている。いま、米朝会談の最適地は沖縄ではないだろうか?玉城知事からアメリカへぜひ提案してもらいたい」。この妙案に拍車が沸いた。

ゲート前行動は正午に終了。平和市民連絡会と那覇島ぐるみのバスは、午後1時半から那覇で行われた辺野古新基地反対県民投票連絡会の「那覇総支部大集会」に合流した。

安倍政権の県民投票つぶしを糾弾し、「安倍政権が最も恐れる県民投票を成功させ、辺野古NOの圧倒的民意を突き付けよう」と確認し合った。

 

2019年1月19日リンクURL

辺野古埋め立て工費2.5兆円 ~ 沖縄県試算、当初計画の10倍

 アメリカ合衆国の国防予算が年間81兆4000億円(日本の国家予算は97兆7128億円)と知って、トランプ大統領が「狂っている!」と叫んだ(ツイッターで)という。「それはあなたの国のことですよ」と突っ込みたくもなるが、狂っているのはアメリカだけではない、この国の軍事予算も狂っている。

 子ども、女性、高齢者の貧困は置き去り、国民の福祉や教育予算は削り取る一方で、軍事予算を膨らまし続ける日本。そのいい例が、辺野古新基地の建設費である。

辺野古の工事にこれまで一体いくら使い、これからどれくらいかかるのか、いくら問いただしても、国は一向に明らかにしないので、沖縄県が試算して公表した。(2019年11月29日)

辺野古新基地の建設費はすべて日本側の負担、私たちの税金であることを、日本の国民は知っているのだろうか?そして、そのうえで無関心を決め込んでいるのだろうか?

埋め立て工費2・5兆円、工期13年  

 ここ数年の人件費、資材費の高騰などにより当初予算の10倍に膨れ上がった結果である。さらに完成予定の13年後には、いったいどれだけに膨れ上がるのか、庶民には想像もつかない。 

しかも、これは埋め立て工事だけの経費である。埋め立てた後に滑走路を造ったり、軍港、弾薬庫はじめ最新鋭の機能を備えた各種軍事施設を建設する費用は含まれていないというのだ。

やっぱり狂っている。

      <埋め立てが進む辺野古崎>

2019年1月18日リンクURL