軍事主義を許さない国際女性ネットワーク会議 IN OKINAWA ④ オープンフォーラム

4日目の25日は、5日間の会議期間中唯一の公開プログラム(会場:沖縄大学)。午前中は参加各国がそれぞれの国の状況を報告。特に、最近大統領が代わって国の状況が大きく変動したアメリカ、フィリピン、韓国の報告に注目が集まった。

オープンフォーラムには会場がほぼ満席になるおよそ150人が参加。同日高江で大きな集会があり、いつも高江や辺野古で顔を合わせるメンバーの多くが参加できない状況の中で、この会議に対する県民の関心の高さがうかがわれた。

それぞれの国(地域)で、当事者として草の根の活動を長年続けている女性たちの報告は、沖縄の実情とも重なり、実感を伴って伝わってくるものがある。

報告によると、韓国では2016年に地元の反対を押し切り高高度防衛ミサイル(THAAD・サード)が配備された。そのことによって中国や北朝鮮との緊張関係をより高めている。

ハワイでは、ハワイ島の中心部にある実弾演習場で劣化ウラン弾が使用されたことが、最近になって明らかとなり、放射能汚染が懸念されている。

米軍の広大な実弾演習場を抱えるグアムは、演習場の周辺地域や海域への立ち入り禁止が、年間27日以上も続き、漁業や観光に深刻な影響を与えているという。

米軍が駐留地の人々の強い反対を顧みることなく、工事や演習を強行できる背景には、米国と駐留国(地域)との植民地的関係があるとの共通認識が示された。

沖縄、フィリピン、韓国からは、不平等な地位協定の存在が、米軍の事件事故、騒音・環境汚染、軍隊の性暴力などで、駐留国の住民の暮らしを脅かしている実態が報告された。

世界中に軍隊を派遣し続けているアメリカは、膨大な軍事費によって、本来守るべきである国民生活に、深刻な影響を及ぼしている実態が報告された。カルフォルニアだけで11万人を越えるホームレスがおり、子ども貧困はの6人に1人と言われている。

すでに60兆円を超える世界一位の軍事費を費やしながら、新大統領にえらばれたトランプ政権は、貧困にあえぐ国民を置き去りにしてさらに軍事費を増やすと宣言している。

<←アメリカの国家予算の配分を示す映像>

「止まるところを知らない軍事化の増強は、一体だれのためなのか?真の安全保障とは!」と、女性たちは改めて問うている。

 

この後、昼食時間を利用して、韓国・チェジュ島のカンジョン村で、米軍住宅の建設に反対する人々の10年間にわたる抵抗の記録を追ったドキュメンタリー映画が上映された。

警察機動隊に何度も何度も排除されながら、あきらめずに反対の声をあげ続ける姿は、まるで辺野古・高江の映像を見ているかのようだった。

 

 午後の日程の途中、県外出張から戻ったばかりの山城博治さんが、那覇空港から直行であいさつに駆けつけみんなの大拍手で迎えられた。いま話題の不屈の人・博治さんの登場に、会議のメンバーは大いに勇気づけられた。

 午後からは5つのテーマ別分科会に分かれて、さらに議論を深めた。

オープンフォーラムでは、各国の展示も行われた。

深刻で辛い話の多い会議で、声を詰まらせたり涙ぐむこ場面もたびたびだが、女性たちは明るくたくましい。夕食会場へ向かうタクシーを待つ間のわずかな時間も誰からともなく歌い踊り出し、楽しむ。

2017年7月3日リンクURL

軍事主義を許さない国際女性ネットワーク会議 IN OKINAWA ③ 辺野古で抗議の声をあげる

三日目・24日(土)は辺野古の座り込みに参加。この日大浦湾では護岸工事に抗議する海上パレード行われるため、一行を乗せたバスは、まずは瀬嵩の浜へ直行。外国メンバーを中心に抗議船に乗って、海上から抗議行動に参加した。(私は船に乗れなかったので、写真はありません)

 カヌーチームは22艇で「ジュゴンを救え」のアピール。(工事の影響で餌場が荒らされ、ジュゴンが寄り付かなくなった)

 韓国メンバーは、抗議船への乗船順番待ちの間も砂浜で抗議行動を展開。

ゲート前では、大浦湾の写真の絵ハガキに思いを書いて繋げたメッセージカードを持って挨拶。沖縄への強い連帯と支持を表明した。

 

 

 

 

ゲート前のテントの下で昼食のお弁当を済ませた後、那覇へ戻る途中、昨年、元海兵隊員の性暴力を受け殺害された20歳の女性の遺体遺棄現場を訪れた。

いまも、現場の祭壇に被害女性を悼む花や供物の絶えない。

アメリカメンバーの一人が、先住民の祈りの方法でその場を清め、一人一人が野の花を積んで被害女性の霊に捧げて冥福を祈った。

この国際女性ネットワーク会議の発端が、1995年に小学生の少女が三人の米兵に性暴力を受けたことだっただけに、20年たっても変わらぬ沖縄の現実を改めて突き付けられ、何人も涙を拭う姿があった。

この後の日程は、沖縄大学を会場に5つのテーマに分かれて分科会討論が行われる。

大型バスが満席。強硬スケジュールも何のその元気いっぱいの女性たち。

予定より1時間近く遅れて、午後の日程である分科会の会場・沖大に到着。早速五つのテーマ別分科会に分かれて討議が行われた。

第一分科会:「軍隊と性暴力~女性・子どもの人権」

第二分科会:「植民地主義からの脱却と経済的自立(地域に根差す)」

第三分科会:「軍事化に抗して~非暴力・紛争予防・軍事費削減」

第四分科会:「基地と環境汚染・環境保全」

第五分科会:「安全保障の再定義(法律・協定など」

これらの分科会討議は、翌25日の公開プログラムでさらに討議を深め、内容が発表される。

2017年7月2日リンクURL

軍事主義を許さない国際女性ネットワーク会議 IN OKINAWA ②摩文仁で平和の祈り

二日目の6月23日は、沖縄「慰霊の日」。 この日は、摩文仁・魂魄の塔前で行われる「国際反戦沖縄集会」に参加することになっているが、その前に、韓国で制作されたドキュメンタリー映画「ホストネーション」を観た。

この映画は、韓国とフィリピン間の性的人身売買が合法化されている現実と、韓国における一人のフィリピン女性の二年間を追跡・記録することで性的人身売買の構造を暴くドキュメンタリーである。この状況を米軍基地の存在がさらに増長させている現実を浮き彫りにしたもの。

映画を観終わって、10:30分に摩文仁向け大型バスで出発。バスの中で「ありったけの地獄を集めた」と称される沖縄戦についてレクチャーを受けた。

  まずは、一般の人たちに交じって「魂魄の塔」で黙とうを捧げた。

ハワイのメンバーが、持参した千年木の葉で編んだ「祈りのレイ」を魂魄の塔に捧げた。

ハワイメンバーの中には、祖父母が沖縄出身の若者が二人いて、ことのほか沖縄戦や沖縄の伝統的な芸能、食べ物、文化・習慣に興味を示した。

12:30、海勢頭豊さんのコンサートで「6・23国際反戦沖縄集会」スタート。

ステージ真ん前のテントの下に陣取る「国際女性ネットワーク会議」のメンバーたち。

首にかけた紅型のスカーフが「国際女性ネットワーク会議メンバー」の目印。

壇上から、各国のメンバーがそれぞれメッセージを発信した。

 沖縄戦の惨状と、今なお続く米軍基地の厳しい現状を自らの状況と重ね合わせて、コメントしながら思わず涙ぐむハワイのメンバー。

 ステージでは、山形からの修学旅行生の歌とメッセージ、フラダンスや金城実さんの名物・下駄踊りなども披露された。

摩文仁から戻って会場を県の女性センター・てぃるるに移し、夕食をとりながら、今度は沖縄戦のドキュメンタリーフィルム「未来への証言」を見たあと、それどれの国(地域)状況を伝える「各国報告」を行った。

 

沖縄メンバー、日本メンバーもそれぞれ自国の状況を報告した。

 

2017年7月1日リンクURL