沖縄平和運動弾圧裁判~山城博治さんらに執行猶予つき有罪判決

弁護団が「沖縄平和運動弾圧裁判」と名づけた辺野古や高江で抗議中に逮捕され裁判にかけられた山城博治さん、稲葉博さん、添田充啓さんの裁判、14日那覇地裁で判決が出された。

     <判決を前に、裁判所前で開かれた事前集会には500人余が集まった>

柴田寿宏裁判長は 山城博治議長に対しては「米軍反対運動の中で行われたが、犯罪行為で正当化できない」として懲役2年、執行猶予3年。

稲葉博さんには、山城議長と共謀し、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブの工事用ゲート前にブロックを積み資材搬入を妨害したとして、懲役8月、執行猶予2年。

北部訓練場へのヘリコプター発着場建設の抗議活動を巡って起訴された添田充啓さんは懲役1年6月と執行猶予5年、一部無罪だった。

          <左から、山城さん、稲葉さん、添田さん>

山城さんと稲葉さんは「抗議活動の背景を見ず、行為のみに着眼して論じている。形式的な不当判決だ」と批判し、判決を不服として即日控訴した。

判決直後の集会と夕方から行われた報告集会で山城さんは、これまで支えてきた多くの県民に感謝を述べるとともに「問われるべきは私たちではなく、政府である。あなた方に罪はないのか!」と、改めて国家権力の理不尽で暴力的な弾圧を批判、「現場に立てない中で、辺野古の状況を伝える毎日の報道に胸を痛めている。闘いはまだまだ続くが、沖縄の宮古、石垣、与那国をはじめ奄美、種子島まで南西諸島にミサイル基地を建設し軍事要塞にして、戦争の防波堤にしようという戦争政策がここに表れている。いずれ全国に広がる。この国の危うい未来を、全国に訴える機会でもある」と、裁判を前向きにとらえた。

弁護団を代表して三宅弁護士は「判決の結果で一喜一憂しない。勝っても負けても私たちの勝利である。勝ったら私たちの正義が認められたことであり、負けたらそれは、このような不当な政治弾圧をしてまで強硬にしなければ進められないのが辺野古の新基地建設工事である、ということを証明していることになるからだ。三人は国家権力にはめられた。これら政治弾圧は、沖縄の平和運動を委縮させることが目的だ。しかし、辺野古での抗議行動は、委縮するどころか、いまも毎日続けられている。このような威嚇に負けるような沖縄県民は一人もいない」と裁判の意義を語った。

 午後6時から自治会館に会場を移して改めて「地裁判決報告集会」が行われ、500人超が参加、さらなる闘いへの決意を確認し合った。

全国から120人の仲間と共に判決を見守った平和フォーラムの藤井康成共同代表は「これは戦後最大の政治弾圧である。日本の民主主義はどこへ行ってしまったのか。森友文書改ざん問題で安倍政権の屋台骨が揺らいでいる。いまここで安倍政権を倒さなければ、永遠にこんな機会はない。明日国会前で大きな行動がある。日本の社会をまっとうな国にするために、沖縄と共に行動していく」とあいさつした。

報告集会では、山城さんら三人の無罪を訴える国際署名が32万筆を越えたことが報告された。

2018年3月15日リンクURL

平和フォーラム全国から120人~今日(3月14日)の辺野古

今日の辺野古は、埋め立て資材を積んだダンプは1台もゲートをくぐらなかった。全国の平和フォーラムの仲間が120人もゲート前に結集したからだ。いつもの地元メンバーも含め300名近くの人数がゲート前に座り込んだ。

北は北海道から本州・南は九州、もちろん沖縄のメンバーも含め全国各地から結集した仲間たち。それぞれの地域での平和と人権、環境を守る戦いが報告され、いまこの国がどこに向かっているのか、どんな国になろうとしているのかがよく見える集会となった。

森友文書の書き換えをめぐって、安保法以来の国会抗議行動が展開され、「安倍政治許さない!」コールが連日、国会前で鳴り響いているという。

毎日これくらいの人数がゲートに座り込めば工事は止められると確信が持てた今日の辺野古だった。

この日、全国から120人もの平和フォーラムの仲間がやってきたのは、今日午後1時半から、沖縄平和運動センター議長 山城博治さんらの弾圧裁判の判決があるからだ。

午前11時、もうダンプは来ないと判断して、12時30分から行われる裁判所前での「山城さんらの裁判勝利!事前集会」に向かった。

その模様については明日ご紹介する。

 

 

2018年3月14日リンクURL

速報・辺野古工事差し止め訴訟 県敗訴~ 問答無用の門前払い

辺野古での新基地建設工事を巡り無許可の岩礁破砕は違法として、県が国を相手に岩礁破砕の差し止めを求めた訴訟の判決が、今日(13日)午後3時、那覇地裁で言い渡された。

森鍵一裁判長は、県には国を訴える資格はないとして「本件を却下する」と、わずか数秒で判決を言い渡し、すぐに席を立った。他には何の説明もなく、問答無用の門前払いだった。
また、判決が出るまでの差し止めを求めた仮処分の申し立ても却下した。

裁判所に入る県幹部と県側弁護団>

翁長知事が訪米中で留守のため、激励の事前集会などは行われなかったが、傍聴券が得られなかった多くの県民が裁判所前で裁判の結果を待っていた。

県と弁護団は、判決を受けて午後4時から、マスコミだけでなく一般市民にも開放する形で県庁ロビーで記者会見を行った。

          <市民にも開放して行われた記者会見>

弁護団は「今日の判決は司法権の放棄である」と語り、県の知花公室長は「判決は残念だが、(県の訴えや国の主張に対しても)一切なにも触れていないので、県の姿勢もこれまでと何も変わらない」とコメントした。

翁長知事は、裁判の結果を受け、今晩9時(日本時間13日)にワシントンで記者会見を行い声明を発表する。

 

2018年3月13日リンクURL