県外から友人知人が沖縄へやって来ると
私は、必ず那覇の市場へ案内することにしています。
なぜなら、市場は庶民の暮らしと文化が、良くも悪くもよく見えるところだからです。
しかし、中には私よりも沖縄のことをよく知っている 沖縄通の友人もたくさんいます。
先日も、高知からの友人と市場へ行きました。
もう二十数年、沖縄へ通い続けている人です。
彼女は、沖縄中どこにおいしいお店があるか、珍しいものがあるか、
楽しいところがあるかを知り尽くしています。
那覇市場には、彼女が常連として買い物をしている店舗がいくつかありました。
沖縄へ来ると必ず寄るところがあると、逆に私が案内されていったのは
お肉売り場でした。
彼女は、箱いっぱいの買い物をして郵送を頼んでいました。
沖縄在来豚・アグー(黒豚)のハムやベーコン、塩漬けなどです。
沖縄に来た時だけでなく、高知から電話一本でいつでも送ってくれるこの店の常連さんだったのです。
そして彼女は、私のことを
「この人は、観光の人たちをよく市場に案内しているので
知り合いになっているといいですよ」と、私のことをお店のオーナーに紹介してくれました。
私、お魚党なので、お肉は、出された料理はおいしくいただきますが, 自分自身でお肉を買って調理することはめったにありません。
が、紹介された手前、何も買わずに帰るわけもいかず
アグーのソーセージと瓶詰のアンダンスー(肉みそ・沖縄伝統の保存食)を買いました。
合わせて800円くらいの買い物です。
でも、手渡され品物があまりに大きな包みなので
?という顔をしていたら、「シーブン(おまけ)入れておきました!」とのこと。
家へ帰って、びっくり!!!
入っていたオマケは、大きな塊のアグーベーコンでした。
私が買った品物の3倍くらいの値段です。
かっては(二昔前くらまで)、このような場面はよくありました。
糸満の市場で、やはり東京からの友人たちを案内していたとき
市場のアンマー(お母さん)たちに、いろいろと質問して、
糸満女性のことを教えてもらったあと、3個のみかんを買ったところ、
アツアツの揚げかまぼこ(7センチ×20センチほど)をもらったことがあります。
これも、かまぼこのほうが何倍も高いのです。
意気に感じたら採算は度外視、これが沖縄アンマーの心意気なのです。
その伝統が、那覇市場でまだ生きていたことに
私は、改めて感動したものです。