「集団自決」 71年目の慰霊祭~渡嘉敷島 ①

今年も3月28日がめぐり来た。

戦没者慰霊碑・白玉の塔

戦没者慰霊碑・白玉の塔

沖縄では33年忌が過ぎると死者の魂は昇華し、神となって天国へ帰るとして、すべての法事が終了する。
しかし、戦争で亡くなった方々の場合は別、その無念の死を語り継ぎ、平和の礎するために、33年忌が過ぎても村主催の慰霊祭が続けられている。

式辞を述べる松本好一村長。

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涙で声が詰まる場面があり、この日の出来事への、特別な思いが察せられる。実は、松本村長は多くの村民が命を落とした「集団自決(強制集団死)」があった翌日29日に生まれた。

慶良間諸島の「集団自決」は、それから3か月間にわたって繰り広げられた沖縄戦の序幕に過ぎなかった。
生まれたばかりの赤子を抱えた母親が、地獄のような沖縄戦を潜り抜け、すべてを失いゼロからの出発を強いられた戦後を、どのように生きぬいてきたのか、そんな母親への思いが胸に去来したかもしれないと想像する。

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戦争を知る世代、体験を共有する遺族はもう数少なく、高齢化がすすむ。「来年は参拝に来れるかねぇ」と、誰にいうともなく寂しそうに語る。

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ひ孫の世代、小中学生によって千羽づるが捧げられた。

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当時、校長として渡嘉敷島に赴任し、夫妻ともに「「集団自決」に巻き込まれた方の遺族が作詞・作曲した歌「命どぅ宝」が披露された。

ケラマツツジ

ケラマツツジ

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島は新緑の季節を迎え、慰霊碑・白玉の塔の周りは、島の花でもある「ケラマつつじ」が、燃えるような赤い花を咲かせている。
シャリンバイも香り高く満開だった。

 

2016年3月29日リンクURL

渡嘉敷島より新年のご挨拶

 いい正月でーびる 

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今年は数年ぶりに ふるさと・渡嘉敷島で新年を迎えました。
曇りがちの元旦でしたが、初日の出を拝むことができました。

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刻々とのぼりゆく初日

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昨年国立公園に指定された慶良間諸島。
ザトウクジラが子育てにやってくるケラマ海峡は世界屈指の透明度を誇るサンゴ礁の海です。
ただいまホエールウオッチングシーズンの真っ最中!

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2016年1月2日リンクURL

ふるさと自慢~稲刈り始まる・渡嘉敷島

美しい海、白い砂浜、豊かな緑、青い空、シャイで実直な島の人々・・・ふるさと自慢は数々あれど、私の中でのナンバーワンはこれです

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6月18日撮影

6月18日撮影

沖縄ではなかなかお目にかかれなくなった田園風景が
渡嘉敷島にはあります。
今年も6月に入ると一期作の稲刈りが始まりました。

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全国的には、たしかに珍しくもなんともない風景ですが
沖縄では、本島北部と西表島にまだわずかに田んぼが残っているだけで、中南部でお米がとれるのは、わがふるさと渡嘉敷島だけなのです。特に、近年健康にいいと注目されている古代米(黒米)の渡嘉敷ブランドが人気です。

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しかも、EMを使った無農薬栽培なので、カニさんもタニシさんもオタマジャクシさんも元気に泳ぎ回る安心安全な田んぼです。

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農のある暮し、これこそ人間の生活の原点だと思うのです。何時間でも眺めていたい気持ちになります。カニさんたちを脅かさないように、そっと田んぼの中に足を入れてみました。昔、肌になじんだ感触がすぐに甦り、ほっと心が緩んで涙がでそうになりました。

さらにさらに自慢させてもらいますと

旧暦の6月25日(6月カシチー)には、この田んぼでとれた稲ワラを使って
恒例の、豊作に感謝を捧げる大綱挽きが行われるのです。

2011年 渡嘉敷島の大綱引き

2011年 渡嘉敷島の大綱引き

村中総出で綱をつくる準備

村中総出で綱をつくる準備

三人一組で 綱を編む

三人一組で 綱を編む

数本の綱を束ねて大綱ができる

数本の綱を束ねて大綱ができる

 

那覇大綱引きを筆頭に、県内各地で豊年祭の綱引きはたくさんありますが、自分たちの村でとれた稲ワラを使い、自分たちで綱を綯って綱を挽く、そういうところは渡嘉敷島の他にありません。
これを自慢せずして、何を自慢しましょうか!(ちょっとリキ入りすぎかな?)

今年の大綱挽きは8月9日(日)に行われる予定です。誰でも参加できます。興味のある方は是非、綱作りからご参加下さい。

東西に分かれて綱を挽く。 西が勝てば豊作、東が勝てば豊漁となる。

東西に分かれて綱を挽く。
西が勝てば豊作、東が勝てば豊漁,どちらが勝っても万々歳!

2015年6月30日リンクURL