沖縄の新聞を「本土」へ贈る人々~「温度差」を埋めるために

沖縄の新聞を、自腹で本土に届ける人たちがいる。宛先は図書館や記者、市民団体。基地問題に代表される本土と沖縄の「温度差」を埋めるため、まずは沖縄の実情を知らせたいと願っている。  (沖縄タイムス4/7、阿部岳、新里健)

刷り上がったばかりの新聞が本土発送用に次々と包装されていく=1日未明、浦添市・沖縄タイムスUPセンター
<刷り上がったばかりの新聞が本土発送用に次々と包装されていく=1日未明、浦添市・沖縄タイムスUPセンター>

広島県の福山市中央図書館では今年2月から、沖縄タイムスが読めるようになった。地元に住む元新聞記者の鬼原(きはら)悟さん(60)が購読料を負担している。当初は自宅に送らせていたが、「もっと多くの人に読んでほしい」と宛先を変え、自らも図書館に通って読む。

1月までの1年余り、沖縄で暮らした。「ヤマトンチュがいかに差別の実態を知らないか、痛感した。私たちには知る責任があり、本来は各地の図書館が自費で購読すべきだ」と考えている。

関西沖縄文庫(大阪市)を主宰する県系2世の金城馨さん(60)は昨年12月から沖縄タイムスの基地報道をコピーし、元教員や平和団体メンバーら25人に手渡したり郵送したりしている。目的は「ヤマトンチュに『沖縄のことを知らない』という言い訳をさせないため」。

コピー代は月4万円かかるが、「沖縄に押し付けられている基地を、ヤマトに引き取らせる機運を高めるために必要な経費」と話す。

沖縄市出身で広島修道大学教授の野村浩也さん(50)=広島市=は琉球新報4部と沖縄タイムス3部を自己負担で購読契約し、全国紙やNHKなど本土の記者7人へ郵送させている。

「沖縄の基地負担を過重にしている原因の一つは本土メディア。日米安保の現場が沖縄にあることを伝えたい」と語る。「多くのウチナーンチュが同じ『贈紙』に取り組めば、立派な社会運動になり、沖縄の状況はきっと良くなる」と期待している。

2014年4月9日リンクURL

海外識者メッセージ 番外編~ノーム・チョムスキー氏

来日した米国人の言語学者ノーム・チョムスキー氏(85)が、沖縄の基地問題について
言及。シリーズ外の記事(琉球新報3月24日掲載)ですが、貴重な内容なので、番外編として紹介します。

ノーム・チョムスキー氏

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また、チョムスキー氏は、自主避難を余儀なく、された福島の親子らの訴えに直接耳を傾け,次のようなコメントをした。

「日本は広島、長崎の原爆を経験し、放射線の怖さを知っているはず。
それなのに、政府が被災者の不安に寄り添わないとは。言葉にならな
い」と日本政府の対応を厳しく批判している。

福島の親子らと面会したのは、福島の子どもたちの「集団疎開裁判」を支援してき
た縁からだ。12年1月、「最も弱い立場の子どもらがどう扱われるかで社会の健全さが
測られる。私たち世界の人々にとって裁判は失敗が許されない試練だ」と集団疎開裁
判を支持するメッセージを寄せている。

 

 【ノーム・チョムスキー】
言語学者、哲学者。1928年、米国フィラデルフィア生まれ。ペンシルベニア大を卒業し、
61年からマサチューセッツ工科大(MIT)教授。50年代に、言語学における革命的な
理論を発表し、「現代言語学の父」と呼ばれる。

一方で、ベトナム反戦運動に携わり、人権や平和に関して積極的に発言。
今年1月には、米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設について、「沖縄
の軍事植民地状態を深化、拡大させる」と反対する声明をほかの有識者とともに発表
している。著書に「統辞構造論」 「メディアとプロパガンダ」 「秘密と嘘と民主主義」な
どがある。

2014年3月31日リンクURL