高まる全基地撤去の声~二つの抗議集会(5月25日)

元海兵隊員による性暴力、殺人、死体遺棄事件に対して、
25日も二つの抗議集会があった。
午前中は、辺野古キャンプ・シュワブゲート前での抗議集会(平和運動センター主催)に参加した。

DVC00033.JPG                 <400人がゲートを封鎖して抗議>

DVC00180.JPG あのような無残な事件を起こしても、完全武装した兵士を満載して、何事もなかったかのように演習に向かう軍車両が頻繁に行き交う辺野古ゲート前。笑顔のVサインは何を意味するのか!

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午後からは、加害者の元米兵が軍属として働いていた嘉手納基地ゲート前での緊急集会(オール沖縄会議主催)に参加。

DVC00021.JPG                <4千人が嘉手納基地ゲートを埋めた>DVC00009.JPG               <参加者が手をつなぎあい、被害者の思いを共有>

DVC00016.JPG                 <基地に向かって抗議の声をあげる>

集会を主催したオール沖縄会議は、安保を容認する保守系や経済界も合流しているため、あくまで「辺野古に新基地を造らせない」の一点でゆるやかに手をつなぎあう組織であるが、今回の事件を受けて、再発防止にはすべての基地の撤去、軍隊の撤退しかないとの声が相次いだ。

2016年5月26日リンクURL

女性たちが、被害者の追悼と米軍の撤退を求める要求書

女性たちが中心となって呼び掛けた22日の「無言の抗議」集会では
米国大統領、在日米国大使、在沖米軍四軍調整官、安倍総理、内閣官房長官宛に、
「元米軍海兵隊兵士の事件被害者を追悼し、十分な対応と真相究明、米軍の撤退を求める要求書」を発表した。
その全文を掲載する。

DVC00202.JPG 2016年4月末から行方不明になっていた女性が遺体で発見され、5月19日元海兵隊員で軍属の男性が容疑者として逮捕されました。この痛ましい現実に直面し、何を言うべきか。怒りが痛みを持って沸き上がるのを押さえることが出来ません。
この怒りや悲しみに心を配らず、責任回避や矮小化、政治の駆け引き事のように取り沙汰しようとする声も聞こえ始めています。このようなとき、沈黙を選んではならない。私たちは声を発するためにここに集いました。           

私たちは何よりもまず、奪われた尊い命を悼みます。彼女を大切にしてきた人びとが、彼女を想うための時間と機会が損なわれることのないよう、求めます。

私たちは、彼女がどれほどの恐怖と苦しみのなかにあったか、荒ぶるような心を鎮めることが出来ません。沖縄に暮らす私たちはみな、自分にも起こり得たことだと、言葉を失い、その痛み苦しみを共にしています。

私たちは、基地・軍隊の長期駐留が押し付けられている沖縄で、幾度となく繰り返される事件のたびに、被害者を貶める発言や態度にも、幾度となく引き裂かれてきました。被害に遭った人の尊厳が守られるよう、強く求めたいと思います。

今年3月中旬、那覇市内のホテルで女性が米兵による性暴力の被害に遭ったときに、在沖米軍のローレンス・ニコルソン四軍調整官は、「沖縄にいる米軍人、家族、軍属の合計5万人を代表する」と発言して、翁長知事に謝罪しています。あれから2ヶ月しか経っていません。綱紀粛正・再発防止の約束は、また反故にされたのでしょうか。この責任はどのように果たされるのでしょうか。

私たちは「軍隊は構造的暴力組織であり、平時と戦時とを問わず、人間の安全を保障しない」と訴え続けてきました。基地・軍隊は、人間の心と身体を深刻なまでに破壊しており、それはフェンスの内と外とを問いません。沖縄に駐留する米軍人・軍属・家族のひとりひとりにも呼びかけます。自分たちには関係ないという態度は許されません。私たちと共に悼み、怒り、抗議の声を上げて下さい。

私たちは、日米両政府、米軍、沖縄県に対して、基地・軍隊の駐留がもたらすこのような現実を直視し、責任ある行動を執るよう、以下のことを強く要求します。

一、被害者を取り巻く人びとへの謝罪とケアが丁寧に行われること。
一、真実が究明され、加害者への厳正な処罰が行われること。
一、沖縄に暮らす人びとの真に安全な社会を実現するため、沖縄から全ての基地・軍隊の撤退を求める。

2016年5月⒛日ハーベールー ②

基地・軍隊を許さない行動する女たちの会、ワンストップ支援センターの設立を強く望む会、強姦救援センター・沖縄(REICO)、ジェンダー問題を考える会、女団協、I女性会議、新日本婦人の会、沖縄県母親大会連絡会、沖教組、高教組、沖退教、高退教、SEALDs琉球、安保法案に反対するママの会@沖縄、那覇ブロッコリー、わんから市民の会、ピースキャンプ沖縄準備会、合意してないプロジェクト、沖縄県内学生有志、ヘリ基地反対協、Weぷらんにんぐ、沖韓民衆連帯、WILPF京都、国際法市民研究会、トリイ基地の強化に反対し読谷村自治基本条例を生かす会、「今、ここからはじめよう」、Hawaii Peace and Justice、HOA: Hawaii Okinawa Alliance、雑誌las barcas、みやこ・あんなの会、てぃだのふぁ島の子の平和をな未来を創る会、沖縄県憲法普及協議会、沖縄人権協会

(5月22日現在、36団体)

2016年5月24日リンクURL

命を返せ~2000人が無言の抗議

元海兵隊員による女性殺害遺棄事件を受けて
22日、県内36の女性団体などが呼びかけ、在沖米軍の司令部があるキャンプ瑞慶覧の石平ゲート前で追悼抗議集会を開いた。

シュプレヒコールやガンバローなどの掛け声はなく、「命をかえせ」「「すべての基地・軍隊の撤退を!」などのプラカードを掲げ、喪服や喪章を付けた人々2000人が、被害者が受けた恐怖、痛み、苦しみ、無念に思いを馳せながら、整然と無言で一時間フェンス沿いを行進した。

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DVC00186.JPG15分おきに基地に向かってプラカードを高く掲げ抗議の意思を表明。 DVC00002.JPG

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DVC00210.JPG          <参加者同士、言葉にならない思いを、握りあった手と手にこめて…>

沖縄では、亡くなった人の魂はハーベールー(蝶)に誘われて戻ってくると言われている。主催者は、プラカードに、魂の化身・”蝶”をデザインし、被害女性への想いを託した。

ハーベールー ①ハーベールー ②基地ある限りこのような事件は起こり続けることを、沖縄県民は改めて突き付けられた。「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議では、25日午後2時から嘉手納第一ゲート前で、3000人規模の緊急抗議集会、さらに来月19日(日)には県民大会を開催する。20年前に行われたのと同じ8万5千人規模の大会を目指す。

 

2016年5月23日リンクURL