私の大切な人をレイプしないで! ~ フラワーデモ in おきなわ 12月

 「性暴力のない社会を目指して声をあげよう」と、毎月11日に全国各地で行われているフラワーデモ。沖縄では5日目となる集会が、さる11日(水)満月の月の光に包まれて、県庁前県民ひろばで開催された。花を片手におよそ130人が集った。男性の姿も少なくなかった。

 今年4月、性犯罪の加害者が、裁判で無罪になるということが相次いだため、日本の刑法や裁判の在り方にも問題があるとして、東京で始まったフラワーデモは、この12月で29都道府県31都市で開催されるようになった。

 この日は、呼びかけ人の一人である北原みのりさんも沖縄の集会に東京から駆けつけた。

 沖縄のフラワーデモにぜひ参加したかったという北原さん。「”女性たちが、やっと声を上げ始めた”とメディアなどで言われるが、そんなことはない。沖縄の女性たちは以前からずっと大きな声を上げつつけている。そんな沖縄の集会に参加できてうれしい。これまで被害者が受けてきた痛みや苦しみを受け止め、絶対に繰り返さないと声を上げ続ければ、きっと社会を変えることができる。一緒に未来を変えていこう」と呼びかけた。

 

集会は、被害体験者や支援者がリレートークで話をつなぐ形式で行われ、5人の女性がマイクを握った。

 親しい友人が被害に会い、心を病んでしまったという女性は「私の大切な人をレイプしないでください!私の大切な人をレイプしないでください!死にたくなるほどつらい気持ちなるかもしれないけど、どうか死なないでください!死なないでください!」と何度も叫び、「みんな、どの人も誰かの大切な人です!」と訴えた。

 たまたま出張で沖縄に来ていた女性は「いつも東京のフラワーデモに参加している。今月は参加できなくて残念と思っていたが、沖縄でも行われていることを知って駆け付けた。私も被害体験がある。加害者が身近な親族だったため、被害を唯一打ち明けた母親にさえ、受け止めてもらえなかった。長い間心を閉ざしてきたが、フラワーデモに参加して、こんなにもたくさんちゃんと受け止めてくれる人がいるとわかり、心を許し安心して語ることで救われた」と、被害体験を語った。

 最後に再びマイクを渡された北原みのりさんは「これほどに性暴力がはびこる背景には、根底に女性を軽く見るこの国の根強い性差別がある。各地のフラワーデモで、”声を上げれなかったことでなかったことにしたくない!”という女性たちの思いがたくさん語られた。声を上げれば変わるのです!」と、集会を締めくくった。

 フラワーデモは、刑法の改定が検討される予定の来年3月まで継続して行われる。

 <フラワーデモが行われた県庁前県民ひろば>

 

 

 

2019年12月13日リンクURL