辺野古抵抗の歌 ⑦ ~「沖縄よどこへ行く」「とにかくここで」

ゲート前の座り込み、歌や踊りも「非暴力抵抗運動」の力強いツールである。

ijyuさん(右)

ijyuさん(右)

「あがた森魚」ばりのサビの効いた哀愁漂う歌声で、聞く人のハートを鷲づかみにするijuさん。
彼が歌っている歌は、沖縄を歌うフォークシンガーとして知る人ぞ知る安里正美さんの作詞・作曲だそうです。
1970年代に作られた歌ですが、今聞いても少しも古さを感じさせません。
ということは、基地をめぐる沖縄の状況は、70年代からちっとも変っていない、むしろひどくなっている」ということでもあります。いま辺野古で歌うのにぴったりのうたです。

曲をお聞かせできないのが残念ですが、歌詞だけでも十分に伝わります。

 

<沖縄よ どこへ行く >
作詞・作曲:安里正美

島を耕すように 艦砲射撃の雨が降る
ほんとうの敵は誰なのか
尊い命は 帰らない
ドンパチやってまけた国 祖国と呼んだ あの国は
なぜだかこの島放り出し アメリカより遠い国
流れ流されて どこまでも 沖縄よ どこへ行く
戦が教えてくれたのは 愚かさだけなのに

生まれたときは アメリカ世 ためらいもなくドル時代
勝った 負けたの関係で がんじがらめの お触れ書き
戦が終わりまた戦 島を飛び立つ米軍機
我々の島が あの国の人々を苦しめる
流れ流されて どこまでも 沖縄よ どこへ行く
金網の向こうに 平和など ありはしないのに

アメリカ世から大和の世
期待と不安の世替わりは
戦をしない日本の 兵隊たちがやってきた
物があふれる暮らしより 金網のないこの島を
それがアジアの人々へ 償いの証
流れ流されて どこまでも 沖縄よ
戦が教えてくれたのは 愚かさだけなのに
金網の向こうに 平和など ありはしないのに

安里正美ライブCDジャケットより

安里正美ライブCDジャケットより

 

<とにかくここで>                                                             作詞・作曲:安里正美

ここで生まれたから ここで生きて来た
ただそれだけの ことだけど
沈む夕日に染まり 街も人並みも
何でもない日々の暮らしが 今日も過ぎていくけれど
どれだけの時が流れても 着飾った街になっても
ままならぬ日々のくらし 夕暮れの空の下

戦が終わった後に 生まれた僕だけれど
戦の道具のようなこの島で生きている
癒しの島だといいながら 多くの人が訪れるけど
足早に通り過ぎていく 冬の風のように

日本人でしょうか 僕も
日本だと思いますか ここは
何にも知らずに生きて来た 僕がいる

アカバナー咲く島に
いつになれば 春の風は吹くのだろう
平和を望めば 自由を求めれば
叫ぶ声は空しく響くだけ 帰れ沖縄よ 自らへ

日本人でしょうか 僕も
日本だと思いますか ここは
何にも知らずに生きて来た 僕がいる

ここで生まれたから ここで生きて来た
ただそれだけの ことなのさ

2015年10月18日リンクURL