旧正月

友人から「旧正月おめでとう」と携帯にメール年賀状が届いた。
「お正月の神歌を唄って元旦を迎えたよ」と書き添えてある。
彼女は、西表島の神歌を継承する、数少ない歌い手の一人。

 

けらまツツジが咲き始めた

近くの公園で、ケラマツツジが咲き始めた

年間のさまざまな伝統行事を旧暦で行う沖縄では、お正月も旧暦で行う地域がまだまだかなりある。

一年に二度もお正月があるので
旧正を「沖縄うちなー正月」、新暦の正月を「大和(ヤマトゥ正月」と呼び分けている。

今年の旧正月は2月10日。
今日は旧正3日目である。

旧正月が盛んな地域は主に糸満や伊良部島のような港町や、
サトウキビを作っている農村地帯、
または、久高島のように神行事の残る島々など。

都会地域に住む住人は、日常暮らしている場所で新正月をし、
ふるさとに帰って旧正月と、二度もお正月を祝うことも珍しくない。

子どもたちにとってはなんとも嬉しい二重正月、
だって、お年玉が二度もらえるんだもん!

私の田舎では、新正月だけになって50年以上になるが
それでもお正月の儀礼として
若水を汲み、その水でお茶を沸かし、お仏壇に供てから
家族で飲み交わし、一年の健康を願う習慣がある。

しかし、我が家では祖母が亡くなって(15年前)からは、それもなくなってしまった。せいぜい親族が集まって新年会をする程度である。なんとも味気ないお正月になってしまったもんだ。

♪もういくつ寝るとお正月♪~ ワクワクしながら指折り数えていた子どもの頃が懐かしい。

 

註:若水とは、元日の早朝、井戸や地域の泉から汲んだ水。若水を飲むと邪気を払い、若返る(生気を蘇生する)と言われている。

2013年2月12日リンクURL