報道機関を名乗る資格がないのはどっち!~産経新聞 沖縄批判ありきの報道

昨年12月、沖縄自動車道で起こった交通事故をめぐって、産経新聞が「日本人救った米兵 沖縄2紙は黙殺」という見出しで掲載した記事を、取材不十分で間違いだったと認め、削除と謝罪をした。

産経新聞は、この記事の中で、「米軍がらみの事件・事故が起きればことさら騒ぎ立て、善行に対しては無視を決め込むのが沖縄メディアの常になっている」とし、沖縄の2紙は「メディア・報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」とまで書いた。

しかし、新報・タイムスの検証取材で、事故処理に当たった県警も、米兵が所属する在沖米軍も「米兵が日本人を救った事実はない」と否定。両紙の指摘を受け、産経新聞は2月9日の紙面で、誤報を認め謝罪したというもの。

ネット上にはびこる沖縄ヘイトに飛びついて、ここぞとばかり沖縄批判をしようとした挙句の失態と言わざるを得ない。報道機関としてあるまじき行為だ。

<2月9日、琉球新報朝刊>

産経新聞の謝罪に対し、琉球新報、沖縄タイムスの両紙は「記事を検証し、率直に詫びた姿勢は評価する」と編集責任者のコメントを発表した。

何と寛容なことか。新報・タイムスの読者、というより”沖縄の人間としては、「こんなことがごめんで済まされていいのだろうか、名誉棄損で訴えたい!」と思うほどだ。

産経の誤報記事は、ネット右翼が喜んで拡散したが、お詫び記事は、それこそ黙殺され拡散されることはないだろう。産経新聞も、そんなことは十分承知しているはずだ。

2018年2月10日リンクURL