米軍基地被害から子どもを守り、安心・安全な教育環境を求める市民集会

12月7日、普天間基地に近くにある緑ヶ丘保育園に、米軍ヘリの部品が落下した。わずか50センチ先の園庭では、園児たちが遊んでおり、一歩間違えば大惨事になる事故だった。

その事故から一週間もたたない12月13日、今度は普天間第二小学校のグラウンドに米軍ヘリCH33Eの操縦席の窓が、枠ごと落下、男子児童一人が部品が落ちた反動で飛んできた石に当たり、軽いけがをした。落下したとき運動場ではおよそ60人の児童生徒が体育の授業中で、一番近い児童は10メートルも離れていなかったという。

県議会や県内31に市町村議で抗議決議が全会一致で可決され、原因が明らかになるまで、全機種の飛行停止を求めたが、日本政府は米軍に対し、十分な抗議もしないまま、「操縦士の人的ミスで、機体に欠陥はない」として、事故から一週間もたたずして、飛行再開すると日本政府に通告、米軍の言い分を鵜呑みにして、早々に飛行再開に同意した。

両事故とも人的被害が出なかったのは、奇跡に近い。しかし、軌跡はめったに起こらないから奇跡と呼ばれるのであり、いつまでも奇跡が続くはずはない。

今日12月27日、宜野湾市役所前で、49団体が呼びかける抗議の市民集会が開かれた。

普天間基地の現状を報告した島袋純琉大教授は「普天間基地は存在そのものが人権侵害である」と断じた。

緑ヶ丘保育園の神谷園長は米軍は、落下した部品が米軍のものであると認めながら、飛んでいるヘリから落ちたとは考えにくい。普天間基地のヘリはすべての機体の部品は揃っている。と落下を否定した。それを根拠に、”自作自演だろう”というような嫌がらせ電話やメールが殺到している。これがもし事故でないというのなら、それはもう事件ですよ。殺人未遂事件です」と、憤る。

保護者代表の母親は「緑が丘保育園の園庭は、子どもたちの明るい声が響く楽園のような場所でした。事故の後、子どもたちはヘリが近くを飛ぶたび、恐怖を訴えて、しがみつきいてきます。子どもたちは楽園のような遊び場をうしなったのです。子どもたちに、安心して遊べる場所を一日も早く、取り戻してください。」と、何度も涙を拭いながら訴えた。

集会の会場は、市の教育委員会が、普天間第二小などのグラウンド使用を拒否したため、市役所前の小さな広場で行われた。それでも600余が集まった。

参加者の一人が、ヘリからの落下物を実物大の模型を作成し、掲げた。右側の提灯のようなものが緑が丘保育園に落ちた部品。左側が大型ヘリの窓。

集会が行われているわずか1時間の間にオスプレイが3回、その他のヘリはひっきりなしに上空を飛び、普天間基地の現実をまざまざと見せつけた。

2017年12月29日リンクURL